私が中学1年生のころから15年あまり我が家にはシェットランドシープドッグのトラくんが家族の一員として生活を共にしていました。走ることが大好きで近所の空き地を毎日毎日走り回るほど元気で健康的な犬でした。しかし1歳ほどになった時、皮膚の病気で長いさらさらした毛の奥に隠れた皮膚から血が出るほどかくほどかゆいみたいで、病院へ通い、自慢の毛を剃り、薬を塗り、錠剤をのまさなければならない時期もありました。トラくんは薬が大嫌いでドッグフードに混ぜてもいつも薬を残していました。
嫌がるトラくんに無理やり飲ますことも大変で、軽くかまれることもありました。それでも皮膚の病気なだけで体は元気だったので毎日走り回っていましたが、薬を与えなければならない状況はつらいものがありました。人間もそうですが健康そうに見えて、病院へ行き薬に頼って生きることは健康ではない、と言われているようで辛い日々でした。でも毎日頑張って薬を飲み続けた結果皮膚の病気もなくなり、毛も生え戻った頃本当に健康は犬にとっても私たち飼い主にとっても大切なのだ、と気づかされました。
そうして年月が経ち健康で元気なトラ君でしたが、トラ君が10歳になった頃また新しい問題が出てきました。便秘、と言う問題です。毎日朝昼夕晩、少なくとも4回は散歩に行くのですが大きい方を出す歳本当に苦しそうに「うーー」と言いながら気張るのです。出た、と思って見てもゴルフボールよりも小さなコロッとしたモノなのです。頑張って気張って出てこないときもあります。母はいつも私が散歩から帰ってきたら「でた?どんな大きさ?」と聞いてくるほど心配していました。獣医さんとも相談してドッグフードも変えたり、オリゴー糖をまぜたり色々試行錯誤をして、トラ君が出しやすいように私たちも頑張りました。
お腹のマッサージもしてあげました。ただやはり薬に頼りたくはありませんでした。自然に治してあげたかったからです。でも獣医さんは私たち人間があまり神経質になってもいけない、と教えてくれました。神経質になりすぎると犬はすぐに感じ取ってプレッシャーになってしまう、と言われました。そして健康であることはもちろん大切ですが、パーフェクトを目指す必要もない、とも教えられました。
それでもやはり我が家はトラくんの健康はみんなの元気の素で毎日一緒に散歩できる日に幸せを感じていました。